仁
「…今日もいない…。」
(あれからずっと休んでるし…
ほんとはオーディションに
行かないって言われて嬉し
かった。僕のものにできる
チャンスだと思った。ゆうとが
作曲をしてるなら尚更。でも、
でも、でも……。)
ゆうと
「おう、まつ毛。」
仁
「まつ毛言うな。あ、ごめん、
ゆうと。こないだ借りた
CD忘れた。」
ゆうと
「ああ、別にいつでもいい。」
仁
「…あのさ、すごく大事な事が
2つあるとして。それを自分
のエゴでこっちだけ選べって
言ってもいいものかな。」
ゆうと
「意味が分からない。」
仁
「デスヨネ…。」
ゆうと
「でもどっちも大事ならどっち
も大事にすればいいだけじゃ
ないのか?…すごく難しい
けど。」
仁
「ありがと、ゆうと…。
何ひいてんだよっ!」
ゆうと
「まつ毛きもい。略して
マツきもい。」
仁
「だからまつ毛言うなて。」
ゆうと
「マツきもい」