「レミリア?」
フランに呼ばれ、はっと我に返る。
「・・・・何?
ちょっと考え事してて」
「・・・まだ咲夜のこと引っ張ってるね」
フランの手元にいるのは、塗り絵ではなく、淡いピンク色の桜の花びらだった。
それを手を取って、摘んだり引っ張ったり。
「・・・そうかも、しれないわね」
「わー。珍しく素直ね。
弾幕でも降ってくるんじゃないかしら」
ケラケラ笑いながらフランは花びらを机上に振り撒いた。
「・・・・・」
「・・・レミリア」
「何」
「ちょっと山まで行って木の実とか取ってきて」
「は?」
「いいから!!
行ってらっしゃい!」
フランに強引に連れて行かれ、屋敷に出される。
咲夜の死から1週間。
咲夜は、
否、あの少女は、
紅魔館にはやって来なかった。