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[ss]ヒット。(10) |
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入江 |
12/9 22:15 |
何の曲が終わると、妖精は私の方を向き、不思議な言葉を喋る。
「Наконец встал?」
__え、英語?
私は勢いで返事をする。
「ふ、フー アー ゆー?」
ダメだ、まったく発音が出来ないうえに詰まってしまった。
妖精は私のそんな様子をみて、クスクスッ、と笑った。
「日本人かな、とは思ったけど、一応ハーフの可能性もあるから、母国語で訊いたのだけど。やっぱり日本人だったんだね?」
妖精の口から流暢な日本語が発せられたことに驚きつつも、妖精の問に答える。
「そ、そうです...。あの、よう__あなたは?」
一瞬、妖精さんは?と訊きそうになり、言い直す。
妖精は小さな口を開いた。
「私はカリスト·エカテリーナ。 リーナでもカリストでもカチューシャでも好きに呼んで」
凛とした雰囲気を漂わせつつも、冷ややかな笑顔をみせるエカテリーナは、まるで氷の彫刻のようだ。