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[連載小説]ヒット。(22) |
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入江 |
12/13 23:31 |
一対複数の戦闘。それも格闘戦では“動きを止めない”事が重要になる。
リーダーの男が向き直り、蹴りを放った。隙だらけで、素人みえみえの蹴りだったので、腹に力を込めて受けた。
「ッ!」
身動ぎ一つしなかったので、リーダーの男の方がバランスを崩した。必然的に男を6人全員が見つめた。
M870の銃身を掴み、手近にいた男の顔面めがけてバッティングするように振るった。バコンッと頭蓋骨の陥没する音とともにノックアウト。血と前歯が宙を舞う。突然の出来事に体が追い付かず、硬直している。だが、リーナの思考はクリアなままだった。
返す刀で二人目の顔面を叩き潰す。グシャと鼻が曲がり、後ろに立っていた男を巻き込んで倒れた。
「やられっぱなしでいられるかよ!」
バットのように振り回していたM870を一人の男が決死の覚悟でストックを掴んで、思いっきり引っ張った。
男のミス。私が銃身から手を離せば勝手に男が尻餅をつく。
「!」
軽やかなステップで男と距離を詰め、ローキックで頭部を蹴り抜く。壁に頭を打った。恐らく気絶。これで三人がダウン。