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[連載小説]ヒット。(24) |
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入江 |
12/14 18:7 |
「なんなんだよ...なんなんだよ! てめぇは!?」
ダウンさせたはずのリーダーが立ち上がり、ヒステリックな叫び声をあげ、隠し持っていたバタフライナイフをひろげて、突っ込んできた。無駄に根性だけはある。
中段(ミドル)の回し蹴りで、男の手からバタフライナイフを蹴り落とした。男は武器を無くしたことに焦って、バタフライナイフを探そうとした。しかし、その時点で勝敗は決していた。なぜなら、武器を無くした時点で格闘戦へと切り替えるところを、素人が故に、優位になれる武器を探してしまったのだ。
焦った人間を殺すのは簡単だ。しかし、今回は殺しはしない。処理が面倒なうえに、汚名を着せられるのは心外だ。
流石に何度も顔面を狙うのは可哀想なので、男の体勢を前に崩して、前回りさばきで懐に潜りこみ、おんぶする要領で前方に投げた。男は背中を強打して、肺をやられたようだ。息ができず、喘ぐような声を漏らす男に、今度こそとどめをさそうと、金的を狙ってサッカーボールキックをするよに蹴りあげた。男は悶絶し、再起不能となった。