「……あ、あれ? 我が見えておるのか?」
「み、見えて……ますけ……ど?」
彼女に意味の分からない質問をされ、俺 は歯切れの悪い声で答えてしまう。
「 あ、あれれ……へっ!? あ、あれ? い じめない?」
どこぞのシマリスみたいに言われても困 る。 どうしてこのような言葉を発したのかは 不明だが、おそらく過去に何かあったのだ ろう。
「……いや、いじめません」
俺の言葉で少しは落ち着いたと思ってい たのだが、今度はそっぽを向かれてしまっ た。
「 ふん! 人間はいつも神社を荒らして落 書きはするわ、ゴミは捨てるわ、嫌いじゃ ……! お前もそうなのじゃろ。……んーしか し、最近ここのところ、落書きは減ってゴ ミも減っておるが……」
「それは俺が……」
「え……お、お前……が?」
彼女は俺の左手に持っているゴミ袋を見 る。どうやら察してくれたみたいだ。
「……そ、その……なんだ。……疑って……悪 かったの」
「まぁ……しょうがないですけど」
続くのじゃ!
※次の話は明日投稿します。