甘
「アタシ、やっぱり納得
いかないわ。仁が歌えなく
なったのはありす*のせい
なのに。」
スティーブ
「甘先輩…それはちゃうて。」
甘
「だって6年前あの子の為に
歌ったりしなければまた
歌える様になってたかも
しれないのに。」
ありす*
(ちょっと、まって。まって。
まって。)
仁
「う、そ、だよ。甘先輩の
言ったこと。嘘だから。
全然…歌えるし。」
ありす*
(そうよ。仁は6年前歌わない
って言ったのに、絶対歌わな
かったのに。なのにあの時
だけ、私を止めようとした
あの時だけ。
そうよ。一緒に歌った次の
週から仁は姿を消した…!)
ありす*
「仁!」
仁
「うるさいな、歌えるよ、
見ててよ!
………………っ、
………………っ、
………………っ、
は…っ、…っ」
ありす*
(空[くう]を切る息。あの曲を
歌おうとしてる…!)