「あーん……ふんふん……ん〜、美味しい〜」
「それは良かった(あ、食べた……かわいい!)」
「これはなんとゆう食べ物なのじゃ?」
小さくそのパンを呑み込んだ後、彼女はそう訊いてきた。
「メ、メロンパンで……す」
「メロン……パン? ふむ、メロンパンか!我はメロンパンが好きじゃ」
「そっかぁ、じゃあ、全部食べてもいいですよ?」
「え?全部……くれるのか?うわ〜」
彼女は屈託のない笑顔で喜んでいる。言うまでなく非常に可愛い。抱き締めたいくらいだ。例えるなら、某有名な〇語シリーズの八〇時真〇みたいな存在だ。ちなみに、声質だけなら花澤〇菜さんであろう。
「あむ……もぐもぐ……」
黙々と食べ続ける彼女の顔に、パンのカスがくっついていた。
「あ、口にメロンパンが」
「なんじゃ?口にメロンパンが?」
「はい、ついてますよ?」
「と、とって?」
その言葉で俺は不意によろけた。彼女のお願いの仕方が、俺はあざといと感じてしまったらしい。よろけた足を戻し、彼女の顔に付いているメロンパンをとる。