夜に沈む景色
朧な月の光が心もとない
窓は闇に覆われ、姿見のように私を映す。
彼は言った。明日、馬車で都に向かう、と
この地に未練はない、しかし
なにか、なにかをし忘れている…そんな気がした。
それじゃあ姫さん
「明日は早い…というわけじゃあないけど、もう寝ましょう」
促されてダブルスのベッドに入る。
彼は床で寝ると言ってきかない。
私一人では大きすぎる布団
口元まで引き寄せる
分からない、何を忘れたのか分からない
―――務めを果たせ
何の?何をしろと言うの
―――それが唯一報いるための方法だ
分からない、私は一体何をした
頭の中に殴り書きをされるかのように
浮かぶ、あの言葉。
暗く、冷たい靄に浸食されゆく思考
伸びてくるのは救いの手か、それとも
悪魔の地獄へ招く手か