突き飛ばされた。地面を転がり
彼を
いや
彼がいたほうを見る。
竜がひと噛み、血飛沫上がる。
おいしそう、そう思った私はおかしいのだろうか
兎にも角にも逃げねばなるまい。
彼が、命を呈してまで稼いだこの時間、決して無駄にはしない
涙の代わりに溢れるのは悔しさ
私にもっと芯の強さがあれば
茨にもっと頑強さがあれば
彼を救うことができた、殺されずに済んだのにッ
私は…
あれ、私はどうして竜に向かっているの?
無理、無理よあんな化け物
街へ行けば、人もいる。そこなら…
―――務めを果たせ
頭痛と共にあの声がする
―――それがお前の
やめて、敵いっこない
―――報いる、唯一の方法だッ
「そう、か…」
私は霞む頭で考える
全てを、私はすべてを
「…救う義務があるのですッ」