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表も裏も紙一重 #19 |
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ゴキラ |
2/22 22:26 |
その翌日、非番のレイカは少し気を入れた格好で機動隊特殊作戦本部を出た。
平日の日が昇りきった時間の空いた電車に乗って向かった先は、大きなショッピング施設の中の映画館だ。
[思ったよりは余裕なかったな...ちょっと急ごう]
オニオオハシがポップな画風で描かれたトートバッグが、急ぎ足に揺られる。
[...あれは...]
レイカはガラの悪い男が数人集まっている所を見て、トートバッグの中に入れてある護身用のショックブラスターに手を伸ばしたが...
[流石にそのネックレスはいかつすぎっしょ]
[髭はやした金髪の奴に言われたかねーっての]
レイカはすぐにトートバッグから手を離した。
[...これが職業病ってやつね。]
そんなこんなで結局上映10分前にスクリーンに入ったレイカは指定された席に座って、携帯の電源を切ってトートバッグに入れて、横の座席に置いた。
[あの、すみません...]
しかしその直後に、その席に人がやってきた。
[あっ、ごめんなさー
その男は見覚えのあるウィンドウブレーカーと、蛇の刺繍の入ったマスクをしていた。
[...えっ?]