義手で床を叩きつけて威嚇するシオマネキに対して、レイカは近接戦闘の構えを崩さなかった。

[泡を吹いたら許してあげるわよ、カニさん?]

[そっくりそのままお返しするぜ、お嬢さん!]

ストレートやアッパーが多く織り混ざった義手の猛攻に対し、レイカはカウンターを小刻みに挟んでシオマネキの体力を削っていった。

徐々に戦況は優勢になっていき、連射力の高いキックが連続でヒットし始めた頃、外からヘリコプターの羽音が聞こえてきた。

[はぁ、はぁ...もう少し遊んでたいが、終電が出ちまうもんでな...]

シオマネキはその場を去ろうとエレベーターの方へ引き返し、歩き始めた。

[待ちなさい!]

レイカが背後についたことを感じたシオマネキは身体をひねって義手で裏拳を放ち、その拳は防がれたにも関わらずレイカを立ち上がれなくするほどの破壊力だった!

[ぐぅっ...!]

シオマネキは再びエレベーターを目指したが、そのエレベーターはボタンを押す前に開いた...