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表も裏も紙一重 #37 |
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ゴキラ |
3/13 21:53 |
拉致された二人の研究助手は、薄暗いコンクリート打ちっぱなしの無機質で殺風景な広い地下室に閉じ込められていた。
[...海月さん、私達どうなっちゃうのかな...]
[さぁね...絶対ロクな事にはならないだろうけど...]
部屋の隅でると、対面の隅にあった鉄のドアがノックされ、灰色の狼の毛皮に身を包み、口元も毛皮のマフラーで覆った女が入ってきた。
[失礼するぞ、博士達。]
彼女の入った後に続いて、テーブルやライトなどの機材を運ぶボディーアーマー姿の兵士がずらずらと入ってきた。
[私達をどうするつもり...?]
反抗的な目の海月をしばらく見つめた後、視線をそらしてこう言った。
[...バイオミミクリーの技術を提供してもらう]
テーブルの上にはPCなどの、研究に適した機材が並んでいた。
[...悪用する気なら、渡す気はー
[わかった、やりましょう]
抵抗の意を示そうとした百合の発言を遮って、海月はその命令に屈した。
[海月さん...?!]