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表も裏も紙一重 #40 |
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ゴキラ |
3/14 22:33 |
技術提供を命令された海月と百合は、用意された二つのデスクでそれぞれ要求に沿った兵器を設計していた。
[...海月さん]
[なに、百合?]
[...私、兵器を作るのあんまり手が進まないです]
百合は自分の技術で他人の命を危険に晒してしまうことに対し、仕事をする手がなかなか動かなかった。
[百合、背に腹は変えられないのよ]
[でも...あそこで拒んでいれば、少し変わっていたかもしれないんですよ?]
海月は仕事の手を止め、ため息を吐いた後で百合の方に椅子を回転させた。
[悪い方向にね。生きた心地がしなくなるまで痛ぶられて、その末に死んでいたかもしれないでしょ?]
[だとしても自分の命のために多くの犠牲を払うなんて...]
[犠牲じゃない、対価よ]
[罪のない命が自分を守ることの対価だって言うんですか...?]
[そうよ、自分のために払うべきものよ]
[自分のために予測不可能の破壊を許すなんて間違ってる!]
[あんたの命は!]
海月が自分のデスクを強く叩きつけた音が、コンクリート壁の部屋に響いた。
[...あんただけの責任じゃないのよ]