翌日の昼下り、警視庁の会議室で警視庁襲撃についての情報交換会議が行われていた。

現場にいた者を中心に、目撃情報などを集めるが、いまいちまとまらないまま散漫とした情報だけがホワイトボードに並べられていく。

[うーむ...では次に情報を出す者は挙手してください]

脅威迎撃対策課長が少し困った様子でそう呼びかけると、一人だけ手が上がった。

[機動隊ブレイブイーグル隊長のレイカです]

対策課長はささやかな笑みを浮かべて頷き、レイカは前まで出てきた。

[...さて、ここまでの情報は正直核心をついたものではありませんでした。そういう私も、その日は非番だったもので、他人の事は言えませんけど...]

レイカはここでひとたび大きく息を吐いた。

[ですが今回情報を提供するのは私ではありません。では呼びましょう...ブラックマンバを。]

その一言で、会場が一気にざわめいた。

驚愕や困惑などの感情が交錯し、あわや混乱するところだったが、会場の後ろからドアを開けて入ってきた黒い人影を前にした会場の人々は、その異様な雰囲気を前に静まり返った。

[...どうも。]