|
|
表も裏も紙一重 #53 |
|
ゴキラ |
4/14 18:4 |
ブラックマンバはナイトプレデターでアジトに戻る途中、車内に搭載されたAIアシスタントの“ルカ”に話しかけた。
[...ルカ、話を聞いてくれるか?]
{いつでもそのつもりですよ、マスター}
赤信号で止まり、ため息をついて少し肩の力を抜いて話した。
[...戦っていない時間、生きた心地がしないんだ。それはもう時間が止まったような感覚で、身体に血が巡っている感覚が無いんだ。]
あくまで弱きを守ることを理念として動くブラックマンバにとって、この悩みは自らの活動に大きく関わるものだった。
{マスター、そんな余裕ないかもしれないけど...趣味を探してみたら?}
[趣味...?]
{趣味っていうのは、人生を豊かにしてくれる物よ。何か一つでも本気で楽しめるものを見つけることができれば、止まった時間もまた動き始めるはず}
信号が変わり、ブラックマンバはアクセルを踏んで車を進めた。
[...空いた時間にでも、考えておこう]