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表も裏も紙一重 #63 |
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ゴキラ |
4/30 21:28 |
日がまだ高い昼下り、ブラックマンバは人気のない薄暗い道を歩いていた。
雷鳴激震との交戦を想定して普段より少し装備を整えた状態の身体だが、心には一抹の不安が押し寄せていた。
(...本当にこの戦いで、俺の役目は終わるのだろうか...)
雷鳴激震が最後の大物組織となった今、根絶は目前まで迫ってきた。しかし、それで戦いの生涯が幕を下ろすのか疑問だった。
そんな不安を表すように、返り血で顔がぼやけた3人の写真を懐から取り出し、神妙な面持ちで眺めた。
そうして裏路地に入った頃に、前から人が来たことを確認して写真を懐にしまうが、すれ違いざまに声をかけられた。
[...どれだけ探したと思う?]
耳に覚えのある声を聞いて振り返ると、長い白髪が裏路地に流れる風にゆられていた。
[フラン...]
フランはまっすぐブラックマンバを見つめ、ブラックマンバはフランを睨んだ。
[...今度こそ伝えたい事を伝えるわ]