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表も裏も紙一重 #65 |
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ゴキラ |
5/15 22:12 |
{...狼、鍛錬を中断してわざわざ現れたという事は報告か?}
{はい、政府は“不透明な犯罪組織の約束を信用する訳にはいかず、声明内で挙げられた犯行内容も現実味を帯びたものではない”としました}
{端的に言えば、答えはNOという訳か...なら予定通り明日決行だ}
ちょうど日が沈む頃、少し前に放ったロボットの中継映像を、百合と海月は神妙な面持ちを浮かべて観ていた。
{ライドウ指令、当日私とシオマネキはどこへ行けば?}
{議事堂へ向かえ。他の場所は留学生達に任せる。あと、何度も言うが呼び名はタケルさんでいい...}
画面に映る二人が離れると、画面を眺める二人が落ち着きを無くした。
[海月さん、もう明日には決行って...!]
[流石に今回は具体的すぎて無線で伝える許可が降りないでしょうね...]
[でもなんとか伝えないと大変な事になっちゃいますよ...]
[政府の声明が警視庁に入っていれば、すぐに動き出せるはず...ひとまずはそれを祈りましょう...]
なす術のない二人は、ただ祈るしかないのだった。