年齢を聞いたあと、しばらく沈黙が続いた。
異性と打ち解けるには時間がかかることぐらい知っているが、そのためには時間を有意義に使わなければと、声をかける。
[あの...名前は?]
...返事は帰ってこない。嫌われたのかと胸が一気に縮み上がったが、少しして聞こえてきたのは寝息だった。
少しうつむいて座り込んだまま眠りについた後ろ姿は、照明によって影が立っていた。
...どことなく哀愁が漂っている。あのまま横を素通りしていたらどうなっていたのだろう。
実感が湧かない。親友が死んでから、起きた事すべてが。
...これ以上何ができるのか...