深い、ふかい暗闇の中、私は見た。
彼の面影を。ルーサー・ハドリー・アルフレッド・ロックハートその人を。
いや、違う。
より厳つく、筋肉質な体つき
脅威に切先向けて、目の前に、庇うようにして立つ背中
紅の盾は輝き、闇を払う
振り向いた彼の顔、逆光でよく見えない。
「大丈夫、必ず私が守ってやる」
光はより強く
純白に染められゆく視界
押しやられ、残る一片の暗闇
―――忘れることなかれ、務めを果たせ
声がした。ような気がする。
意識が漂流と漂白を繰り返す
夢幻の果て、記憶の底
流浪する自我は無意識の中から浮上し
重い瞼を開く
気怠い体を
温もりと心地よい肌触りが包む
「やっとのお目覚めですか」
霞む眼に映る、女性の顔
その面立ちはどことなく
亡くなった彼に似ていて
どうしようもなく涙が溢れた。
To be continued