「貴様、レゼ様を巻き込む気か！」
男は叫びながらフォルチェの顔を刺した。
「レゼ様をおとそうとしたその美貌を、原形留めぬまでに刺してやろう！」
顔を刺される。
体を刺された時よりも多い。
何分経ったかわからない。
ウェディングドレスは血が渇き始めた所は黒く染まっていた。
死にたくても再生を続ける体。
しかし、視界が悪くなり、しだいに痛覚が無くなっていった。
(あぁ…死ぬんだ。大好きだった人に裏切られ、最後まで、誰にも信じてもらえない…私は今まで何をしていたのだろう…)
「とどめを…」
男が後ろに下がりレゼがフォルチェの前に歩み寄る。
倒れたフォルチェの姿を見下ろす。
