「セン、来てたのか、何してるんだ?」
ターキーはセンを見るが、その目はどこかいつもの様子はなく、静かな目だった。
「早く来たんで待ってたんです、ターキーさん楽屋、鍵閉め忘れてましたよ?」
そうか、とターキーは軽く言うと楽屋に入り今日使う物の準備を始める。
ふと、センはツルハシのことを思いだしツルハシについてをターキーに聞く。
「あの、このツルハシ、そこに埋まってたんですけど…何かに使うんですか?」
ターキーはセンの方を向くと目を凝らす。
「ああ、それか、昔色々と使ったんだよ。まぁ、サーカスには関係ねぇ、大事に使ってたが、しばらく使わねぇ内に錆びちまってな、錆を落としたいが、錆落としを買いに行く暇もねぇんだよ。」
と、ターキーは笑った。
「じゃあ、俺が買ってきますか?」
「いや、いいんだよ気ぃ使わなくって、もう使うこともねぇだろうしな。」