「フローラ!?」
センはフローラに駆け寄ると。
フローラは泣きじゃくりセンの胸に顔を埋めた。
センは目を見開き顔を赤くする。
しかしセンは急いでフローラを自身から引き剥がそうとすると、フローラは声を出す。
「お父さんが…誰かに…誰かに!…………殺されたっ…て…」
センはフローラを引き剥がそうとする手を離す。
フローラは先程よりも深く顔をセンに押しつけ手の力を強くする。
「フローラ…?本当に?大丈夫なのか…?」
「最近人が無差別に殺される事件が増えてる…そいつが犯人なのかな…?何で…何で、私の……お父さんが、何かしたの…?」
さっき離した手をもう一度フローラの肩におき、泣く彼女を強く抱き締めた。
きっと自分に出来ることはこれぐらいしか無いのだろうと、かける言葉も無く静に立ち尽くしていた。