その日フローラは直ぐに家に帰った。
ー自分には、何か出来たのだろうか…ー
夜、練習が終わりセンは一人で考えていた。
犯人探し?、そんなつまらないことをする暇はない。
今から家に行く?、ただの迷惑だ。
一人にした方が良いだろう… やはり自分は何も出来ないのだとセンは肩を落とす。
長い通路はもうすぐ終わる。
ここから下に降りればここを出て帰れる。
しかしセンの足は通路を抜けると角を曲がり舞台裏へと向かっていた。
何故だかはわからずに歩く自分を落ち着かせる為にアメを口に入れる。
舞台裏は朝と変わらなかった。
朝と何も変わらなかった。
そこにはフローラが立っていた。