(ボロボロの服…汚れた服と髪)
旅人だろうか、森の中にわざわざ入って来るのだ、街の人では無いだろう。
顔を拭くために前髪を少しどける、そこでフォルチェの心臓は大きな音をたてた。
なんて美しい顔なのだろう。
目を瞑っていてもわかる美しさ、みすぼらしい格好がなんとも残念な程に整った顔立ちだった。
そんな彼の顔に見とれていると、彼は目を覚ました。
顔は動かさずに目だけをきょろきょろと動かして、彼はフォルチェに気づく。
「ここは…」
吐き出した息と共に出た声は、低い音で響いた。
「僕は…確か…」
フォルチェから目を反らし、彼は考えるようにまた目を瞑る