すると突然目を開き布団から飛び起きた。フォルチェをみつめ、
「まさか…!」
と言ったが、彼はすぐに言葉を飲み込むように息を飲んで肩の力を抜いた。
「すみません…まだ意識が朦朧としていて…あの、あなたは?」
「あ…えっと…フォル…チェ…です。あっと…あなたが、私の家の前で…倒れてたから…その…」
人と話すのは久しぶりだった、元々人見知りの激しい彼女だが、久しぶりに人と会って話すと、本当に上手くはなせない。
「助けてくださり、ありがとうございます。僕はレゼ、目的もなく旅をしています。さっきはすみません、人拐いにでも捕まったのかと思っちゃって…でも、女性だったから、安心したんです、驚かせちゃいましたか?」
「いや…そんなことは…ないです…あの、まだ完全に元気になった訳じゃ…ないだろうし…これを飲んで、休んだほうが…」
そういうとフォルチェは川でくんだ水の瓶を手渡した。
「ありがとうございます、ここまでしてもらって、申し訳ない」
そう言ってレゼは水を口に含み体をそっと布団に倒すと、直ぐに寝息をたてて眠ってしまった。