「街がどうなっているかはわかりませんが、その街を救うために研究をなさっているのですよね?それは、つまらなくなんてないです。とても素晴らしいことですよ」
突然のレゼの言葉にフォルチェは涙を流した。
月明かりで照らされたレゼの優しげな顔がさらに響いた。
「街の皆を救いたい…どんなに悪者だって言われても…きっといつかはわかってもらえるはずなんだ…」
「きっとわかってもらえますよ」
レゼは立ち上がると泣いているフォルチェの涙をハンカチで拭った。
暫くしてフォルチェは泣き止み、落ち着いたところで口を開いた。
「この薬は、安全かを確かめるために私が最初に飲みます。その後で病気を治す薬を研究します」
「あの…その研究を僕も手伝ってもいいですか?」