部屋は個室で、狭かった。
昔から広い場所で1人とかは嫌いで、恐らくお母さんの配慮で決定されたのだろう。
白一色で統一された病室は、清潔感で溢れていた。
「・・・・・・本当に、私がいなくていいの・・・・?」
お母さんは、酷く悲しい顔をした。
「うん。大丈夫。
絶対よくなって帰ってくるから」
お父さんの仕事の関係もあるし、お母さんも遠くへ出稼ぎに行っている。
だから、私1人の都合で、2人に迷惑をかけたくない一心で、1人で治療を進めることを決心した。
心細かった。心細かったけど、ここには私の大好きな海がある。空が大きく見える。
全部、私の大好きなものばっかり。森も、木々も。
「だから・・・・大丈夫!」
「・・・・・・・」
お母さんが、そっと近寄り、ぎゅっと抱きしめた。
「・・・辛くなったら、言うのよ」
「うん」
でも、ずーっと1人ってわけじゃない。
三ヶ月耐えれば、実家に戻れる。それに、週末はお母さんが会いに来てくれる。
それまでの辛抱。それに、これは治療だから、また歩けるようになれる。走れるようになれる。
それまで、しっかりしなくちゃ。