「っだ、誰だ！？」

「た、たいちょ…」

俺が銃声のした方へ勢い良く振り向くと、死んだ筈のFBが口を開いた。

「えふびっ…なんで生きて…！？」

俺は驚愕のあまり目を見開く。
FBは俺の言葉に、悲しそうに微笑んだ。

「…言ったじゃないですか、……俺、は、死ねないんですよ」

『死ねない』

まるで死にたいとでも言うかのようなその台詞に、俺は胸が締め付けられるような気がした。

(コイツは俺と真反対だ…
俺は一日でも、一日でも生きていたいと思ってるが、コイツは死ねないから…死にたくても死ねないから、死にたいと思ってるのか…)

…もしかしたら、きっくんはこの事を考えてMSSPにFBを入れたのかもしれない。

普段は馬鹿なきっくんだが、人を見る目は倍ほどあるのだ。

俺がFBに手を差し出すと、FBは一言「ありがとうございます」と言って立ち上がった。

FBの瞳は獣のようで、

あぁ、コイツはこんな目をしながらいつも馬鹿馬鹿しく笑っていたのか。

少し恐怖を感じたのは言わないでおこう。

「あと少しですよ、隊長！」

8/14 16:57