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魔王様のお気持ちは#8 |
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ココアナ |
8/17 19:38 |
「しかも魔法で燃やしちゃったりなんかしたら、森の中のモンスター倒しまくって最強の魔法使いになっちゃうんだろーなぁ…」
「だ、だからなんだよ…」
先程とは違い、うずうずしながらあろまが言う。
しかし俺はそんなあろまに、わざと悲しそうな表情を向けた。
「あろまはついてきてくれないんだろ?」
「……っ!?」
このあろまという男は、炎魔法が大の得意なのだ。
よく森を見るたんびに「燃やしてぇ…」とか物騒なことを言っているので、俺はわざとこんな意地悪を言ってみた。
最初から良いよと言わないのが悪いのだ。
あろまはと言うと、青筋を浮かべ、ひきつった笑いをしていた。
「なぁきっくん?お前は協力な魔法使いがついてきて欲しいか?」
「うん。」
俺は素直にあろまの質問に答える。
するとあろまはやれやれと首をふり、腰に手を当ててこう言った。
「しょうがねぇなぁ!俺は暇だし、ついてってやるよ!!」
…この男、チョロいぞ。
「きっくん腹黒…」
えおえおがボソッと呟いた。