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魔王様のお気持ちは#11 |
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ココアナ |
8/18 17:23 |
俺はめんどくさくなり、一気に仕留めようと腕を振った。
「っおい!気を付けろ!!魔王が何か仕掛けてっ……!!!」
勇者が叫ぶがもう遅く、部屋が一気に冷気に包まれた。
俺の目の前には驚きの表情のまま、氷に閉ざされた勇者達。
まだ死んでないだろうが…
俺は立ち上がり、その氷に手を触れた。
『テレポート』
そう唱えると氷の下に魔法陣が現れた。
そのまま遥か遠くにこの氷漬け勇者達を飛ばす。
彼らはもう二度と俺に立ち向かうことは無いだろう。
一仕事終えた…と、俺は再び玉座に深く腰かける。
「っあ!そーだ、どうせならお茶でも飲もう。」
とても魔王らしくないことを呟き、隠し扉を開けて部屋の中へと入る。
「ぶろっちょ!」
突然足元から聞こえたその声に視線を向ければ、緑のモサモサとした手のひらサイズの生き物が一匹。
「ぼろぞう、こんなところにいたの?」
俺が屈めば、ぼろぞうは嬉しそうに肩にどびのって来た。