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隊長と死なない新参兵#21 |
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ココアナ |
8/21 19:21 |
「あるこ〜♪あるこ〜♪私は〜元気〜♪」
「……今の状況で随分と余裕じゃねーか…」
俺は隣で呑気に歌を歌っている(自称)新参兵の男に冷たく視線を送った。
ちなみに言うと、今俺達がいるところは戦場のど真中だ。
「えぇ〜?良いじゃないですか隊長〜」
ガハハハと豪快な笑い声を上げて新参兵が言う。
まったく、コイツのアホさには呆れるばかりだ。
しかし腕はかなりよく、俺を守りながらスナイパーで遠くの敵を、いとも簡単に撃ち抜いて見せる。(本人は砂が苦手とか言ってたが)
「ぐっ…!」
「FB大丈夫か!?」
FBが敵の弾をモロに腹に食らう。普通ならそのまま膝をついてしまいそうだが、FBは頬に汗を垂らしながらも、ニッコリと俺に笑って見せた。
「大丈夫ですよ。俺、死にませんから。」
FBの言葉に、俺はそうだった…と胸を撫で下ろした。理由は知らないが、コイツは何故か頭をぶち抜かれても死なない。
「敵多い〜♪敵多い〜♪今日は何か敵多い〜♪」
さっき腹に弾を撃たれた者とは思えない元気さで、再び歌を歌いながら敵を砂で撃っていく。