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魔王様のお気持ちは#12 |
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ココアナ |
8/21 19:50 |
ぼろぞうと話していると、ふと目に入った大きな鏡。
俺がいつも磨いているから、ピカピカだ。
そこに映る俺は、人間の形状を少し保ってはいるが、まがまがしい角や、青白い肌、鋭い牙、尖った爪などからは魔王特有のオーラと言うものが出てると…おもう。
(まぁ、俺だって好きで人を傷つけてる訳じゃない。でも、でも、俺の友達を殺した人間を…俺は許せない。)
「ぶろぉ〜?」
「んぁ!?だ、大丈夫だって!だから心配すんなって!」
無意識に難しい顔をしていたのだろう。肩に乗っていたぼろぞうが心配そうにピョコピョコ跳ねる。
俺はぼろぞうをなだめつつ、お茶を飲むためにポットへ水を入れた……勿論魔法で。
自分で調合した茶葉を布で包みそれをカップへ放り込む。
「ぶろっちょ!ちょあー!!」
そんなことをしていれば、ぼろぞうが呼ぶ声。ポットのお湯が沸いたようだ。
「よし、もう入れていいかな」
カップにお湯を注げば、紅茶の良い香りがして、心までも落ち着くような気がした。