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魔王様のお気持ちは#13 |
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ココアナ |
8/22 21:55 |
紅茶を一口飲み、ほっと息をつく。
机の上で羨ましそうにこちらを見てるぼろぞうに、俺はそこにあったクッキーを一枚あげる。
そのときふと写真が目に入った。
俺と三人の人間が肩を組んで笑いあってる写真だ。
もう随分と昔の事だが、そのときの事だけは鮮明に覚えている。
(あいつらといたときほど楽しかった事はない…)
唯一自分の事を理解してくれて、自分も心を開いて語り合えた友達。
しかし今は人間の手で殺されてしまったせいでこの世にはいない。
彼らが死んでしまった時は、何日もご飯が食べられなかった。
食べても気持ち悪くなって吐いてしまっていた。
(あの時は俺が生まれなければ、俺と出会わなければあいつらは生きてたのに、なんて暗い心を持ってたなぁ…)
しかし今ではその人間に怒りが込み上げ、立ち向かってくる勇者どもを殺してばかり。
(こんなんで、ホントに良いのかな)