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魔王様のお気持ちは#15 |
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ココアナ |
8/22 22:37 |
ギイィ…と、ゆっくりと扉が開かれる。
内心バクバク焦りながらも、それを表に出さないように玉座に座り直す。
扉が閉じた音と共に、バッと顔をあげれば、三人の人影。
普段であればあの台詞を言うのだが、俺は目の前の光景に声を失った。
だってそこには、死んだと思っていた友の姿があったのだ。いや、ソックリでは無いが、雰囲気が彼等そのものだった。
手が勝手にフルフルと震えた。しかし、俺の友達は死んだはず。確かにあのとき、殺されたのだ。
でも、俺を倒しに来たのだ。あの台詞を言わなきゃいけない。
俺は震える唇を開き、声を出した。
「……っ、…ょ、よく来たな勇者達よ…」
しかし思ったように声は出ず、やっと出た声も何時もとはちがく、小さく、微かに震えていた。
「おー!お前が魔王!?なんか元気ないけど大丈夫か?」
蜂蜜色をした、少し長髪の男がそう話しかけてくる。