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魔王様のお気持ちは#17 |
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ココアナ |
8/23 16:42 |
歯を食い縛り動かない腕を無理矢理振って、彼等の足元に水の魔法で水溜まりを作る。
「なっ!」
驚いた顔をした彼等に心が痛むが、てっとり早く終わらせたかった俺は攻撃を与える隙なく、足元の水を凍らせる。
「おーい!魔王!流石にこれはせこくねぇか!?」
赤い瞳の男が叫ぶ。
(ごめん、ごめんね、こんな戦い方で。いや、こんなの戦いにもなってない。)
「ごめんね」
俺は一言呟いた後、彼等をテレポートの魔法で城の外へと送った。
そのまま俺は脱力し、膝から崩れ落ちる。
「ぶろっ!ぶろぉ?」
ぼろぞうが心配そうに声をかけてくれるが、俺はそれどころじゃなかった。
(彼等は…一体何なんだ?何で昔の友人とあんなに似ているんだろう?)
俺の頭の中はぐちゃぐちゃで、完全に混乱状態だった。
でも、ひとつだけ、思った事がある。
(俺…あの人達と…)
『話がしてみたい。
…仲良くなりたい。』