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隊長と死なない新参兵#30 |
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ココアナ |
9/10 1:52 |
すると、ずっと溢れ出ていた赤い液体が、突然出なくなった。
「あれ、血…が…」
まだズキズキと痛むが完全に止血したそこを見て、周りの大人達も目を見開き驚いた。
「おぉ!ついに、ついに我々の実験が成功に近づいているぞ!まだ完全に治す程の力は無いようだが、いずれは致命傷もを完治させる力が…!」
興奮したように話し合う大人達だが、思い出したように俺の方へ視線を向けた。
「君は実験が成功した唯一の子供だ。ほら、腕を出してごらん、注射を射つぞ」
静かに腕を出せば、何時もの注射を腕に射たれる。ついでにお腹の傷に包帯を巻いてくれた。
「番号777。やっぱりラッキーな番号だな、実験が成功に近づくなんて…
ほら、今日はもう戻って良いぞ。」
褒められた筈なのにちっとも嬉しくなかった。
俺は重い足を無理矢理動かして皆の元へと戻って行った。
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