書きたいシーンだけ

☆☆☆

「おい、なんでこんなところに子供が…？」

俺達の目の前には言っちゃ悪いが捨てられたような子供が座っていた。

普通の子供だったら俺達も気にしなかったが、その子供は他とは圧倒的に違っていた。

まがまがしい角、蝙蝠のような羽…いわゆる悪魔のような姿をしていたのだ。

俺達勇者からすれば、悪魔は魔王の手下で倒すべき相手。でも、こんな道端にボロボロの状態で座っているような魔物ではない。

「君、大丈夫？」

俺が声をかければ、子供とは思えないほどの鋭い瞳で睨まれた。

「……なんだよ」

口を開いたが、とてもじゃないが子供の口調でない。いや、俺が知らないだけで悪魔はこんな口調なのかもしれないが。

「君、悪魔…だよね？なんでこんなとこにいるの？」

ハッキリ言うには気が引けたが、俺は他に言葉が見つからずに結局そのまま聞いてしまった。

「違う。俺は悪魔じゃねぇ」

「えっ？」

しかし俺の思っていた返答とは違い、思わず声を上げてしまった。

「俺は…魔王だ」

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