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「兄ちゃん！早く逃げないと！」

「……はっ」

腕を引かれ、俺はわけかからなかったが慌てて走った。

何だ？ここは何処だ？
…いや、何処かで見たことある景色な気が…

ふと、目の前の『人』を見て思わず絶句した。

「え…『f91』…？なんでお前、生きて…」

「は？なにいってんの！ふざけてないで早く走って！」

目の前にいたのは死んだ筈の弟。

姿、声、口調、どれもが『あの時』から何も変わっていなかった。

「f91…」

お前、生きてたのかよ…？

俺が名前を読んだ時だった、

ﾊﾟｧﾝ ﾊﾟｧﾝ

乾いた銃声が何発も聞こえてきた。

「不味い！ついにここまで来ちゃった…か…
……！！！？」

手を引いていた弟がいきなり止まり、俺は勢い余って背中にぶつかってしまう。

「何で急に止まって…」

「…兄ちゃん」

弟越しに前を見れば、そこは行き止まりだった。

「…どうしよう、このままじゃ…」

10/28 23:1