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デドバのんびり物語 その三十 |
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ココアナ |
11/15 23:0 |
そしてトラッパーはその『あるもの』を見て思わず鐘を落としそうになってしまった。
「兄さんに女装してもらう日を!!!!」
ローリーが取り出したのは純白に輝くフリルが眩しいメイド服だった。
足を止めてその光景を見ていたミンも、思わず口をあんぐりと開けていた。
「兄さんってば最近全然儀式で見かけないんだもん。わたし儀式の時は毎回これ持って来てたんだよ!?兄さんじゃないときなんてこれ持ったままチェイスしてたんだからね!」
そう言ってローリーは一歩踏み出した。
「でもでもでも、ついに兄さんと儀式で一緒になることが出来た!!だから!ね?兄さん!
このメイド服着て!絶対似合うからさ!ね!?」
ニコニコと言うよりかは興奮気味な笑みを浮かべながらローリーはジリジリとシェイプに近付いていく。
一方シェイプは後ずさりながら、ゆっくりとトラッパーの方を見た。
「……ね?」
たった一文字だけだったが、その言葉からは妹に対する恐怖、そしてトラッパーに対する助けを求める意思が籠っていた。