俺は墓に花を添える。
これは、俺の友達ー鈴音(りんね)の墓だ。
あの事件から、もう何ヶ月たっただろうか。
俺は未だにあの事件の事を覚えている。
「…也……竜也!」
「うおっ!」
驚いて振り向くと、そこには春佳が立っていた。
「お、お前かよ…。驚かせんなよ。」
「驚かせるつもりはなかったんだけどなー。ところで、こんなところで何やってんの?」
「墓参りだ。」
「誰の?」
「…鈴」
そこまで言って、俺は言うのをやめた。
「鈴?どしたの?」
「い、いや。なんでもない。で、お前は何しに来たんだよ。」
「竜也の姿が見えたから、ちょっと寄ってみただけ。」
「帰れ」
俺が怒ったように言うと、春佳は
「はいはい。分かりましたよー。」
と言って帰ってしまった。