礫が降り注ぐ
私は…私は、今の今まで何をしていたか
振り帰ろうと、思い返そうとしたその瞬間
記憶の逆行を遮らんと襲うは
頭痛とどうしようもない虚無感
目の前に横たわる覚えの無い死体
名も知らぬ騎士、その屍を這う茨
どうしてか
垂れた腸
広がる血
零れた眼球
挽かれた肉
愛おしい、美しい
散らばった全てを
この腹に収めたいと思うほどに―――
そっと、背に温もりを感じた
暗い思考の底から浮上する。
ロックハート女史が背後に立つ
彼女の顔は、伏せられ様子を伺い知れない
どうして、そっと息を漏らすように
「…どうして、殺してしまったの」
ひたり、落ちる水滴が写す
哀しみ、恨み
そうだった、私も
彼が喰われたときは…
そっと、抱き寄せ囁く
どうか、許してほしい
「ごめん、なさい―――」
零れる涙に
空いた天井から光が注ぐ
未だ、彼女の意に反し
亡骸の上で蠢く茨達を
横目にしながら
To be continued