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陰キャの平凡な日常 #その1 | 
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ココアナ | 
1/1 1:20 | 
ナワーブさん、起きてください。朝ですよ」 
布団にくるまって熟睡していたナワーブだが、ガチャリと扉が開く音と、イソップの声に頭が覚醒する。 
しかし今は冬。辺りは寒い空気で満たされているため、温かな布団から出る気は起きない。 
「ナワーブさーん…」 
「起きてるよぉ、起きてるから…」 
そう言うがゴロゴロと布団にくるまっている。 
そんなナワーブにイソップは溜め息をついた。 
「…それは起きてるとは言いませんよ、目が覚めたと言うんです。そんなに起きる気が無いなら…僕だって考えがありますからね」 
その言葉と同時に頭まで被っていた布団を剥がされる。寒い空気に体がさらされブルリと震えた。 
「サムッ!?何、何すんだよイソップ!!サミーじゃねぇか!!」 
「起きないナワーブさんが悪いんです」 
そう言ってイソップはとっとと部屋から出て行ってしまった。 
ナワーブはぶつぶつと文句を垂れながらそのあとを追う。