|
|
茨姫 #68話 初陣(1) |
|
|
ごはんごパン |
3/30 21:55 |
登り、落ちる陽を
いくつ見送ったのだろう。
人一倍の糧を摂り
日々鍛錬怠らず
部下のたたき上げにも勤しむ
私一人が強くなり過ぎてはいけない。
彼らがついてこられるよう
着実に育てる必要がある。
極限の環境
生き死に別ける任務に於いて
体力、魔力
そして知力。
体づくりの基礎から
魔物の生体、戦法の座学まで
目白押しの日々だ。
無論、陽がいくつ落ちたかなそ
数えている暇もなく
数週間、それとも数か月だろうか。
過ぎ去ったその日
前触れはなく
ただ唐突に
奴らは来た。
帝都の遥か北。
麦穂輝く豊穣の地
「―――竜種に酷似した魔力反応を検知」
地図に投影された赤い点は
不気味な沈黙を保ったままで
微動だにしない。
訓練時のように、凛々しい振舞の副隊長であるが
その目に浮かぶ色は
困惑か、それとも
恐怖だろうか。
兎も角
危険に晒される人がいる。
それは確かだ。