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小説『あの日見た群青は。』其の二 |
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蕾 |
6/3 3:54 |
「ほんっと瑞穂ってさ、何考えてるか分からないよね〜。なんかいっつもぼけーっとしてるっていうか、、」
「そうかな・・?」
それは夏凛が分かりやす過ぎるだけのような気がするが。まあ……言わないでおこう。
夏凛が話題を変える。
「ねえ、裏庭行かない?」
「何で?」
裏庭は、校庭と校舎を挟んで反対に位置する小さなスペースである。他の生徒は利用しないため、夏凛と私で秘密基地などと言ってよくそこで秘密話をしていた。だが、今日は用がないはずだった。
「いやあ、あそこなら‶あいつら”も流石にいないでしょ?」
「……あ、そうだね。」
返答が遅れたのは、夏凛の発言で‶あのこと”を思い出してしまったから。
「瑞穂、大丈夫?死んだ魚の目をしてるよ?」
私の異変を察したのか、夏凛が顔を覗き込んでくる。
てか、死んだ魚の目ってww
「うん、大丈夫。それより早く裏庭行こう?」
「OK!」
‶あのこと”を忘れ去りたいかのように、私たちは走り出した。
To be continued...