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荊の姫(3)-荊の処女- |
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ごはんごパン |
12/11 21:46 |
列の最後、整った形の顎に手を添えて、耳元で囁いた。
先程まで失くしていた感情が急に還ってきたようで、調子のずれた呼吸で咽ばんとする。
「まだ元気そうね」
鮮やかに覗く赤い舌が唇を這う。
四肢に絡み、食い込んだ茨を解こうと力ない身を捩らせる。体を動かす度に一つ、また一つと増えてゆくであろう数多の痛み。茨の隙間から覗く白肌を、滲んだ血が染め上げた。
「い…や」
泣き潰れた声帯から零れた精一杯の命乞い。
「助け…て…」
気道が塞がり少女の目から光が消える、その瞬間。
断裂音、列の一番右から圧力が迫る。
「その子にッ…触れるなァァァァァ」
拘束していた茨を引きちぎり、弾丸の勢いで懐に飛び込んできた拳を跳躍で避けた。
衣一つ纏わぬその体には熱く魔力が迸り、血走る瞳は獣。殺気も勢いも、常人を凌駕する。
それでも全く掠りもしない。