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荊の姫(7)-邂逅の木漏れ日- |
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ごはんごパン |
12/24 10:4 |
「っかしいなぁ…ここいらの筈なんだけどなぁ」
獣道で一人、古い紙切れと鎧背負って立ち尽くす。周りは何処も彼処も森草森。一体如何してこうなった。
思い返してみると―――
滅多に連絡の無い兄貴から
『騎士団長になった。領地変わるから悪いが急いで荷物まとめて都まで来い』
などと手紙で来たのが一週間前。急すぎる報せに喜んでいいのやら。兎に角、家中から荷を搔き集め、馬車に放り込んだ。
数日で事を成し遂げた俺を誰かほめてもいいと思う。
そんな事はどうでもいい。偶然にも見つけてしまったのだ。
古びた絨毯の下に、錆びついた蝶番。
まさか、自分の家に隠し部屋があるなんて。想像だにしなかった!
軋む床板をそっと、引き揚げる。ぽっかり待ち受ける暗がりに呑み込まれ、降りた。埃舞い散る床下には明り一つなく―――
いや、何もない。
段々と目が慣れるに従って、視える範囲が広がっていく。
「うっそやろ…」