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荊の姫(8)-邂逅の木漏れ日- |
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ごはんごパン |
12/27 11:28 |
ただ、部屋一つ分の暗闇がそこにあるだけ。人生一、極限まで高まっていたテンションは、事実を前に撃沈した。
少しぐらい期待したっていいだろう。もしかしたら眩いばかりの金銀財宝、国一個くらい余裕で買える金貨の山があるんじゃないかって…
胸中に吹く、もの悲しい風に肩を落とす。いや確かに国取れるくらいっていうのは言い過ぎた。それでも兄貴の昇格祝い分ぐらいはあってほしかった。
「…ん?」
項垂れた視線の先、積りに積もった埃の層、その下に。
「んんん?」
サルベージされたのは丁寧に折りたたまれた一枚の紙だった。指で弾いて埃を落とす。
「もしかして?」
もしかすると!
開くとすぐに分かった。願ったり叶ったりである。
茶色に褪せた紙に記されたのは地図。傍らの染みはおそらく文字だろうが、潰れて読めない。
胸が熱くなる。最早行くしかないだろう、男のロマンを求めて