CHIBI QUEST 3

荊の姫(11)-邂逅の木漏れ日-
ごはんごパン

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 開いた隙間から暗闇を照らす。やはり人の気配はない。室内の調度品は人が住んでいるかのように整十中八九罠だ、分かってる。
その理解に如何して体は反するのか。

行かなきゃならない、守らなきゃいけない。振り向く顔は逆光で見えない。

「俺の代わりに」

 広い背中が語る。

「彼女を、どうか頼んだ」

 懐かしい声、光の中に遠くなる知らない後ろ姿。伸ばした指先が届く―――

 触れたのは木造りの扉だった。先程の彼はもう見えない。迷いがないと言えばそれは嘘になる。俺は何も知らない、だからと言って逃げ出す気もない。
 燻っていた情熱に、小さく炎が宿る。
ギシリ、鳴った扉を開いた。
い、積年の埃も全くと言っていいほどに無い。
 まるで、時が止まっているようだ。

「いや、もしかして…」

 実際止まっている?

この結界内では時が流れていないのか。それなら確かに汚れないのも納得がいく。 
ということは、此処は深い森がもともと草原だったころからあったのだ。

色褪せぬ絨毯は毛が立っていて新品同様。蝋燭立ても全く使われていない。





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