CHIBI QUEST 3

荊の姫(12)
ごはんごパン

1/4 22:47

ふと、気配を覚えた。刹那に抜刀、迎撃。
森で出会ったアレが、そこにいた。打ち合いの末、間合いを取る。影のように朧な体、しかしその手には、立派な剣が握られていた。
 
「お前…」

 ここで、守り続けてたのか。時の流れないこの屋敷でずっと。刃を交えるだけで分かる。彼の執念が未だに体を動かしている。

「請け負った、どうか楽になってくれ」

 彼の体は嘘のように軽い。突き崩して切りかかる。心臓の直上を切り裂いた。
 砂のように崩れ、魔力の残滓すら残らなかった。

 鞘に納めてふと、傍を見る。そこには先程までなかった長剣。鍔に填められた宝石が魔力と輝く。彼が持っていたものだと一目でわかる。

 剣に近寄る。宝石には何か彫られていた。

「これ…うちの紋じゃねぇか」

 三本薔薇に棘の茎。見慣れた紋章に思わず手を伸ばす。間違えは無い、これは―――

触れた途端、光が溢れた。
 名も知らぬ彼に託された、名も知らぬ彼女。そして一振りの長剣。一体何を成せばいいか、正直分からない。その状況下でも一つ、分かることがある。





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